キャプテン翼 3巻(その2)

日向小次郎に道場破り的なことをされつつも、順調に練習を重ねていった南葛SC。 30人から15人に絞られ、ついに少年サッカー大会の県予選が始まる。ちなみに石崎は受かっていた。
南葛SC緒戦。この日は翼のお父さんが再び航海に出る日でもあった。お母さんは息子にとって日本で の最後の試合(つーか最初で最後な感じ)を記録するため、スコアブックを持って息子の応援 に行く。ロベルトはお父さんに、全国大会で優勝しないとブラジルに連れて行かないという翼との 約束を報告する。こりゃ厳しいな、と言うものの「それもムダだろう、あいつなら全国制覇をやって のけるさ」と心で思う。どんだけ親ばか、と思わせない不思議な世界のC翼(爆)。3人で翼の応援に 向かう。

そして、自軍ベンチでやる気満々の翼。翼のお父さんが今日から航海に行く話題になり「じゃあ、 今日は来ないのか?」と浦辺が尋ねると、「来ないわけないだろ」と答える石崎。
するといいタイミングで「応援にきたぞー!」と息子を呼ぶ両親の声が聞こえてきた(笑)。 そして父は仕事の前に息子と男の約束をする。それは、この試合でハットトリックを決めたら ブラジルへ行ってもいいということだった。
(※ハットトリック=1選手が1試合で3点取ること。昔、「ハットリくん」と何度も言い間違えそうになった(爆))
一方、足にケガを残し不安げな若林。しかし、監督にいけるか?と聞かれて笑顔で大丈夫です、と 言ってしまう。試合開始前、円陣を組み各チームの監督が選手に声をかける。「思いきって行け」 という南葛の城山監督。しかし相手チームの監督は、
「相手は優勝候補ナンバーワンだ。胸をかりるつもりで全力をだしきるんだ!!」
と、最初から負けるの前提な発言をする。いやだな、こんな監督。でも選手は気にする様子ゼロ。 まあ、いいか(爆)。
そんなわけで、前年度全国優勝しているチームのメンバーがいるせいもあり注目度が高い南葛SC。 偵察の数もナンバーワン。と、これまた誰のためか何のためか謎な実況中継アナが言う(爆)。

会場にはあねごが南葛小応援団と選ばれなかったサッカー部員を率いて登場。手には例のはずかし 乙女心の翼フラッグ(特大)。サッカー部員は石崎くんだけベンチじゃないの、と話すとその石崎が くしゃみをするという、私としてはこっちの方がはずかしい小ネタがある(笑)。そんな彼らの登場 と同時に1点目を決める翼。そしてあれよあれよと前半でハットトリックを決め、ブラジル行きOKも ゲッツ!ピッチと観客席で、「やったよおとうさん」、「父さんも死ぬほど好きな船にのりにいく から、おまえもブラジルで思う存分サッカーをやってこい」という、かなり大音量な親子の会話が 交わされる。ちなみにこの試合、7−0というスコアで南葛が圧勝する。ついでにいうと、この後は、 10−0、11−0、8−0、9−0と、とんでもスコアで準決勝まで南葛は進む。

放課後、学校から帰ろうとすると「日向さん、キャプテン」と呼び止められる日向。 明日の試合は強敵だから出てくれと頼まれるも、おまえらで全国の出場権とるんじゃなかったのか? と取り合わず行ってしまう。そんな日向の後姿を見ながらつぶやいた一言がおもしろい。
あんなに意地をはらなくてもいいのに・・・
強がりなところが思いっきりばれている爆笑モノの日向(笑)。でもそれだけではなく、去年父親が亡くなって から学校に内緒でいろんな所で働いて忙しいらしい。
日向が家に着くと弟2人と妹1人が彼のところによってくる。いい兄貴っぷりを披露。 この後新聞配達にも行くという。「にも」となると、他の仕事もあるようだ。ここで日向の母登場。 子供のお前が働かなくてもいいんだと言われるも、自分のことは自分でしたいんだとマジもんの大人発言。 そして仕事に向かっていく。
なんだかんだ言っても、進学する度にかかる費用や弟や妹のことを考えている日向。 全国大会に出て、スポーツ特待生を狙っているハングリー精神。この年ですでに自分の道は自分で 切り開くものだということを悟っているあたりがおそろしい…。あの当時(1980年代)、実際 スポーツ特待やっている私立中学ってあったんだろうか…?まあ、いいか(爆)。 日向は県予選の組合せ表を見て自分の出番は準決勝からと見込む。

一方、ロベルトとの練習を終えた翼。心はすでにブラジルに言っている翼にロベルトは、プロになるまで 日本には帰らない約束をする。そんな脅し(笑)すら微塵も効かない翼は、早くプロサッカー選手に なりたがっている。しかも、一日中サッカーやっていられるから(笑)。ここでプロは甘くないことを 披露するロペルト。直径20cmくらいの材木用丸太を無断で拝借しキック。なんと丸太はまっぷたつに!! って、おいっ!!!K-1の選手だって折るのは野球の木のバッドだぞ!ていうか、サッカー選手に必要な 能力はキックの破壊力じゃあなかろうがっ!!この辺から「○○できればキック力あるからサッカー 選手に転身」ネタの予兆がうかがえる。

そして少年サッカー大会静岡県予選・準決勝。南葛SCvs島田小サッカー部。 なんと決勝に備えて若林が欠場することに。実は足のケガがまだ完治していないことをメンバーに告げる監督。 それより、いつ皆が若林のケガを知ったのか、準決勝がこれからなのにもう決勝に備えているとか ツッコミ所はさて置き。もっと凄いツッコミ所が。
島田小ベンチでは監督が選手に言う。
「みんな今日までよく戦ってきた。でも今日の相手は強豪・南葛だ。
 とてもおまえたちのかなう相手じゃないな。」
えぇ〜〜。そんな〜〜。準決勝まで来たチームだよ〜〜?選手も選手で爽やかに、「はい!!」 って言っちゃってるよ〜〜。全員が笑顔で全力で戦います!とか言っちゃってるし。あげくには、 選手入場で並んでコートに入る時、「よろしくおねがいします、お手やわらかに!!」って南葛に 言っちゃってるよ〜〜。ところが、こんな風に自分を高くしない連中ほどあなどれない!という 展開(仮にも少年マンガなのに、この表現はいかがなものか…)になる。

一方、埼玉県予選・準決勝。日向不在の明和FCは、敵に2点目を決められてしまう。日向がいないと …という展開。今まで自分達でやってきたんだからもっと自信持てよ、明和(笑)。
試合会場のすぐ外にいる日向。植木の補強として組まれている材木・直径約10cmくらいを蹴り上げると なんとまっぷたつに!そろそろ俺達の出番だな、と後ろを歩く目の大きいえなりかずき 沢田タケシに声をかける。

静岡県予選、南葛がパスカットされる。試合になれていないのか、本日のゴールキーパーの森崎有三 (普通のゴールキーパーだが、今後のC翼を語る上では外すことができない人物)は守備の指示がうまくだせず、 先取点を取られてしまう。ここで南葛は気持ちの切り替えが上手くいくものの、試合の流れは上手く つかめそうない予感がする(雨が降りそうだから(爆))。

埼玉県予選、明和は結局3−0で前半終了。日向無しじゃムリムリムード(爆)が流れる。 そこに日向がドドンと登場。おまえらのサッカーで優勝するんじゃなかったのか?とまたもや 意地っぱり発言。つーか、意地悪だよな(笑)。そんなこと言わずに出てくださいと頼むチーム メイト(同級生多数のはず)。オレのサッカーをすれば出てもいいと日向。
「おれのサッカーは負けないサッカーだ!どんなことをしても勝つサッカーだ」
そうです。それより何か違和感があると思っていたら、この時の日向のユニフォームはちゃんと 半袖だ!!!!以前の試合ではまだ長袖だったけど…。だからなんかおかしかったんだ!(笑)
後半から日向、タケシが出場することに。まだ4年生のタケシ投入にチームメイトが疑問をもつが、 後半を見ればわかるさと日向。なんでチームメイトなのに、実力知らないんだよ(^^;)

一方、南葛は攻めまくるも得点には結びつかないでいた。そんな調子で前半終了。 ベンチで監督に怒られます。得点率の高い翼に合わせるという作戦で後半はいくことになった。 若林は出さずにいくことにも。
後半、雨が降り出しピッチのコンディションは悪くなっており南葛はパスが通らずボールを取られる。 守備が薄くなっていたところ、島田小は2点目をゲット。実は、これぞ島田小のパターン。相手に 攻めさせて守備が薄くなった隙を突いて得点するスタイルのサッカーであった。しかも全試合無失点。 今まで圧勝を重ねてきた南葛はショックで呆然。

またもや場面が変わる。明和は日向の3得点で同点に追いつき、試合のペースも握っていた。 タケシが見事なドリブルで敵をかわしていく。ここで、本当にタケシの実力をチームメイトが把握していなかったことも確認 できた(笑)。タケシが日向にパス。なりふりかまわず敵(5人)は日向を止めにくる。し・か・し。 それをかわすことなく日向はシュート。左右の3人は間に合わなかったと思えるが、前にいる2人は 日向のシュートの勢いで吹っ飛ばされてるよ!!キーパー1歩も動けず(顔のすぐ横に日向の シュートが来ちゃ怖いよな)。明和FCは準決勝を勝ち越すことができた。

2点目を入れられて逆転のチャンスが薄くなった南葛。若林が監督に「おれが出ます」と言うが、 「おまえは出さん」と言われる。全国優勝が目標なのに、この試練が乗り越えられないならばいっそ ここで負けてしまった方がいいと監督。男らしい(笑)。この後も点が取れず、南葛が負けるムードに。 ところが、ここでやっと主人公の活躍が始まる。ハーフラインを超えて自軍に転がるルーズボールを、 そこまで下がることのないフォワードの翼が取る。そして「負けてたまるか」と吠え、攻め始める。 それに続けと井沢・来生。自分でゴール前に持っていくのかと思いきや、味方とパスをまわしてゴール前へ。 シュートを決めるだけではなく、そうやって試合を引っ張っていけばいいんだ!とやはり恋人(誤解発言) の活躍に喜ぶロベルト。 岬のセンタリングで翼がようやくシュートを決める。つーか、今まで岬くんの姿が見えなかったんだけど(笑)
これでペースを掴んだ南葛。井沢がヘッドで競り勝ち、落としたパスで翼が2点目を決める。
強硬な守りが売りの島田小だったが、さすがに同点、しかも2点も取られて不安になる。自分達の攻撃力 が不安だ。ここで、島田小のキャプテンがすばらしい!自宅を合宿所にしてまで、合宿させてくれた 監督のために1点取ろう、とメンバーに言う。監督のため!!こんなすばらしい小学生、私は知らないよ(笑)。

そして島田小はキックオフ後、怒涛の攻めを見せる。今までとは違う勢いに南葛は悪戦苦闘する。 ついにノーマークでシュートチャンスを掴んだ島田小。南葛敗れるか!?ところが、そのシュートを ゴールキーパー・森崎がキャッチする!先ほどあっさり2点取られたヤツとは思えないファインプレイ! この時、「守ったよ若林さん」と他校のヤツを『さん付け』するのが気になった(爆)。 そしてロングパスでボールは翼の元へ。全員上がっていたので守備が薄々の島田陣営を翼がスイスイ ドリブル。そしてキーパーとの1対1に勝ちゴール。 思わぬ苦戦の中、南葛SCは3−2でなんとか勝利する。試合終了後に雨が上がり、ピッチでは島田小と 南葛のメンバーが、「全国行ってね」、「また試合やろうな」等とお互いを称え合う ものすごーく爽やかな1コマでこの巻は終わる。


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