キャプテン翼 10巻(その1)

決勝戦、前半12分。翼と岬がふたり同時に蹴るというとんでもないシュートが明和ゴールに決まり、 一瞬の静寂の後に歓声が上がる。やはり頭を打ったせいで岬がシュートに来るのが見えなかった翼。 長年サッカーを見てきたがこんなケースのシュートは初めてだ、とロベルトも驚く。でも笑顔(笑)。 先取点ゲットで喜びに沸く南葛をしり目に、「どうしてとれなかったんだ、あんな シュート」と、非常に悔しがる若島津。あまりに悔しいので大地に正拳づきを豪快にかます! あまりのことに驚く明和。しかし日向は若島津に、今の1点は忘れろとか、まぐれできまったシュート だとか言います。そして、この1点はこのオレが必ず取り返してやると顔面アップでどどーん と宣言。それに対抗して若林が、この1点このオレが必ず守って見せるぜと日向とは反対の アングルで、しかし同じ顔面アップでどどーんと宣言(笑)。

明和のキックオフで試合再開。ここで日向がすごい形相で例のごとくドリブルでつっこんでくる。 様子としては日向のドリブルスピードがふつうに走るより速そうだ、ありえねーっ(笑)。 しかし、「1点取った後の大事な時間帯。とめてみせるぞ、小次郎」と、日向にタックルを 仕掛けるのは岬(MFC<マイ・フェーバリット・キャラ>1位)!それが見事に決まり、 珍しく日向が倒れこんでいく!!しかし憎らしいことに(笑)、タケシがフォローに走りこみ、 まだ体を起こしていない岬からボールを奪い日向へパス。絶好のシュートチャンス。しかし、 日向はペナルティエリア(PA)の外からシュートをうつ。ついでに言うと、足を振り上げすぎてボールを見ていない格好 になっている(笑)。小学生なのに唸りをあげながらゴールに向かう日向のシュート。だが、 若林は鮮やかにキャッチしてしまう。それでも日向は、何がなんでもPAの外からシュートを決める 決意を固めてしまう。

この後もずっと、日向はPAの外からシュートを狙うがことごとく止められる。それを見て森崎が、 「さすが若林さん!あんなすごいシュート、おれだったら全部きめられてるかもしれないよ!!」と 涙無しでは語れないセリフを笑顔で言う(笑)。
視点は例の東邦スカウトマンに。日向が自分の実力を示す為に、PA外のシュートをゆるさない若林 の伝説(笑)を崩そうとしていると察する女性。しかしそれはエースストライカーとして間違っている と指摘する。細かいことにこだわらず何がなんでも得点するという姿勢こそ大事なのよと女性が言うと、 一緒にいる男性の一言が素晴らしい。
「はぁ」
何だその、気のない返事は!どうやら彼に権力はないらしい(笑)。

今日の日向君は東邦のエースストライカーとして失格ね、と思われていることも知らずにPA外から シュートを狙いつづけるも若林にキャッチされる日向。さすがに若島津もそんな日向をいぶかしむ。 ここでやっと日向一家が会場に駆けつける。またもや日向はシュートチャンス。やはりPAの外から 狙う。それなら大丈夫だと南葛DFは守りを緩める。もちろん若林がそれに反応するが、今回は タケシが走りこみゴール前でプッシュを狙う。若林も完全に逆をつかれるが、なんとか足でボールを はじいて防ぐ。そこで前半終了。

結局、決まりはしなかったもののファインプレイをしたタケシ。しかし日向は彼に、「よけいなことを するな」と言う。もちろん全員がええっ!という反応。いつもだったら黙り込んでいるはずだが、 今日は違います。
「日向さん、はっきりいって今日の日向さんはまちがっています。今日の日向さんのサッカーは 明和のサッカーじゃありません」
あの日向にそんなことを言い出したのは、意外にもタケシであった。その言葉に、「なにィ」と 睨みつける日向。それよりも、そんなタケシの言葉にものすごい驚いた顔をしている他の明和イレブン の顔が気になる。日向に対していかに、誰も何も言えないかがうかがえます(笑)。

明和のサッカーはどんなことしても勝つサッカー。それなのにPA外からのシュートばかりして… (若林じゃなくても決まりづらいっつーの、と思ったかどうかは定かではないが)。それは明和の サッカーではないとタケシは日向に訴えるのであった。
一方、南葛はいい雰囲気。翼の得点王の話になるが、当の本人は得点王よりも優勝旗が欲しい、みんな で頑張ってきたのは優勝旗を手に入れるためだとこれまたいい感じ。絶対優勝しようと、チーム全体が かなりいい雰囲気である。
そんな南葛の雰囲気が明和の険悪さをより引き立てる(笑)。タケシが日向に殴られる!誰もがそう 思った瞬間、日向は、「おまえのいうとおりだ」と意外にあっさり認める。その言葉にイレブンは 口をポカンと開けてしまっていた。ここで東邦学園からスカウトされたこと、東邦に入るための条件、 自分の実力を証明しようとPA外からシュートをうっていたことを、日向は一気にカミングアウト。 そしてタケシに言われて、自分があせっていたことを認める。後半は何がなんでもゴールを狙うと 宣言。そして一気に士気が高まる明和イレブン。そんな様子を吉良監督はまたも感慨深く眺める。 よかったね(笑)。

そして後半開始。今までとは打って変わって明和イレブンが一つにまとまっている。日向以外の メンバーの顔つきもこわくなっている!日向・タケシ・若島津以外のメンバーが、ボールを持つ 翼と岬に向かっていく。これこそが、『明和特攻スライディング部隊』!! 無差別にスライディングタックルをかましてくる。息つぐ暇もなくタックルが襲ってくる。ていうか、タックルかます 当人同士もぶつかり合っています(爆)。まあ、どうなったかというと、かろうじてよけていたが 最後には翼がジャンプでかわし体勢が不安定な所を日向がえぐりとるという結果である。 その絵は、まるで獲物を獲る鷲とか鷹とかのようである(笑)。猪突猛進に南葛ゴールへドリブルする 日向。南葛も3人がかりで日向に向かっていくが、ここで日向は珍しくバックパス。ボールはタケシに。 日向はゴールを狙うべくPAの中に。ここで日向に渡ったら大ピンチの南葛。DFはタケシを執拗に マーク。しかしタケシも意地で日向にセンタリング。日向はそのボールをノートラップでシュート。 しかし若林がまたも体を張ってボールを止める。が、ボール後と吹っ飛ばされる若林!他の小学生より ガタイがいい若林を、蹴ったボールと共に吹っ飛ばす日向の脚力がすげぇ(笑)。そのままゴールに 吸い込まれる若林。だが、ボールだけはゴールラインの外に。危ういところの南葛。PA内でも ゴールが決まらなかったことに愕然とするタケシ。

ここで突然、「なんでとるんだよ、せっかく兄ちゃんがシュートをうったのに」と叫ぶ声が。 声の主は、日向の弟であった。家族みんなが会場に来ていたことに日向は驚く。さらに、日向を 応援する声があがる。そちらを見ると、見覚えのあるオヤジさん達。日向がバイトをしている新聞屋 とおでん屋の人たちが応援に来ていた。思いがけない出来事にしばし呆然とする日向。 若林がチームメイトに声をかけながらスローイングしたところで我に返った日向は、若林にガンをとばし ながら次こそゴール!と無言の宣言。ケンカになるからやめなさい(笑)。

南葛は順調にボールを翼にまわしていく。ここで若林のコーチ、三上さんは若林の足が気になって しかたがない。1試合出場は許可されたものの、日向の無茶なプレイを幾度も止めているので普通の 試合以上の負担がかかっているに違いないと心配。その気持ちに反応するように、若林の足に痛みが 走るようになった。
翼もこれ以上若林に負担をかけられないと、明和特攻スライディング部隊(長い…)にやられないよう 早速ほかにパス。南葛の好プレイが期待できそうな流れに、日向はチームメイトにここは絶対に守り きりオレにつないでくれと叫ぶ。次は必ずゴールしてみせると宣言。普段、頼みごとなんてしないのに 頼む!なんて言われたものだから明和は必死に守ろうとする(笑)。だが岬が翼にセンタリングをしようと いう体勢。翼がゴールの真上にあげてくれと指示があった。なにかある!と読んだタケシは、岬の センタリングを止めようとタックル。だが、岬の方が一歩早かった。タケシのタックルは岬の足に 当たってしまう。だがこれを反則をとらずプレイは続行。高々とあがるボールに対し翼はなぜか ゴールポストに向かって走っていく。これを見て若島津はハッとして、反対側のゴールポストに駆けて いく。翼は立花兄弟率いる花輪FC戦で使った、ゴールポストを蹴り上げオーバーヘッドの技でシュート を狙う。それに気づいた若島津は得意の三角蹴りで同じくジャンプ。翼の足はボールをとらえるが、 若島津もキャッチしシュートを防ぐ。そのままもつれてふたりとも地面に叩きつけられる。 若島津がいち早く立ち上がり、「約束は守ったぜ、キャプテン」とボールを日向に。南葛は急いで ディフェンスに切り替え。ここでハプニング発生。チームの要、岬が右脚から血を流し、翼は左足を 痛め明和陣内で立ち上がれず苦痛に顔をゆがめていたのであった。

(つづく)

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